抄録
北中国地塊には38億年以前の大陸地殻物質が存在する世界でも数少ない場所の一つであり、38億年の年代値を示すジルコンは遼寧省鞍山地域に産する花崗岩質片麻岩から報告されているが(Liu et al., 1992; Song et al., 1996)、露頭記載が不十分であるため片麻岩の年代が38億年かはいまだ議論の余地が残されている。
本研究では東山地域の花崗岩質片麻岩露頭の詳細な観察を行い、ジルコンのスポット分析から片麻岩の原岩年代が38億年であるかの検討を行う。詳細な露頭観察の結果、4つの岩相を見ることができ、それぞれの岩相から岩石試料を系統的に採取しジルコン分離を行った結果、岩石ごとに形状や色調に違いが見られた。発表ではジルコンのカソードルミネッセンス像やLA-ICP-MSによるU-Pb年代分析およびREE分析の結果に基づき、原岩の形成年代や複数回の花崗岩の貫入イベントについて考察を行う。