抄録
様々な地質学的試料の抽出物中にはクロロフィル由来物質である地層ポルフィリンや植物の代謝・酸化によって生成されるマレイミド類 (Mis) が含まれている。原油より抽出・精製されたニッケルまたはバナジルポルフィリンのクロム酸酸化生成物中からは, 様々な Mis とフタルイミド類 (Pis) が検出されており, これらはクロロフィル由来物質である。一方で, 有機溶媒で洗浄した堆積岩試料をクロム酸酸化して抽出した試料にも Mis と Pis が含まれている。これらの Mis と Pis の組成はモデルポルフィリン (ETIO-III) の加熱実験後のクロム酸酸化生成物と分子分布が一致した。したがって, 堆積岩からクロム酸酸化によって得られる Mis と Pis はクロロフィル由来物質であることが推定される。