抄録
フェムト秒レーザーとエキシマーレーザーの二種類のレーザーによるINTAV火山ガラス4試料のアブレーションでは、両者共に主要成分のLA-ICP-MS法による定量値は概して10 %未満の逸脱に収まる事が確認された。一方、微量元素に関しては、4試料ともに殆どの元素で、標準偏差の範囲内で互いに似通った値が得られた。しかしホウ素に関しては、大きな差が出る試料があった。これはエキシマーレーザーとフェムト秒レーザーの間で、アブレーションされる試料量に差があり、より深く掘削するフェムト秒レーザーの場合は、ホウ素を含む微結晶もエアロゾル化する確率がより高くなるためと推定された。LA-ICP-MS法による定量分析では、掘削される試料量と微結晶の存在に留意する必要があると思われる。