抄録
光化学オキシダントの代表的な物質であるオゾンの大気中での定量的な動態は現在でも十分に把握されているとは言い難い。その理由としては、光化学的なオゾン生成が非線形的な挙動を示すことに加えて、オゾンの濃度変化が化学的要因だけでなく、気象学的・物理的な要素も複雑に入り混じることが挙げられる。そのため、化学的な要因と気象学的・物理的要因を切り離して議論できれば、オゾンの定量的な動態把握に向けて大きく前進できることが期待される。本研究ではオゾン生成の光化学的要因について正確に議論できることを目指し、実大気中のオゾン光化学生成速度を直接測定する装置を開発した。また、それを用いて2014 年および2015年夏季に、それぞれ和歌山と東京の森林地域で大気集中観測を行った。本発表では開発した装置の概要と大気集中観測の結果について紹介する。