近年、始原的隕石および分化隕石について、54Cr, 50Ti同位体異常が報告されている (e.g., Trinquier et al., 2007, 2009) 。これらの安定同位体は、合成起源が類似し、太陽系形成初期の環境に化学的制約を与えるトレーサーとしての役割を果たす。また、δ17Oと同様に、隕石種ごとに異なる安定同位体異常は、隕石母天体どうしの類縁関係を探る新たなツールとしても注目を集めている (Warren, 2011) 。しかし、各隕石グループにおいて、Cr, Ti 安定同位体組成が求められている試料は未だ少なく、Warren (2011) の多くのデータは、同一グループ内の別の隕石データをコンパイルしている。そこで本研究では、隕石試料について Cr, Ti の化学分離を同時に行い、双方の同位体分析に MC-ICPMS を用いることで、惑星物質の高精度 Cr, Ti 安定同位体測定法の確立に取り組んでいる。