日本臨床外科学会雑誌
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症例
微小膵漿液性嚢胞腺腫の1例
高木 健司塩見 正哉世古口 英小林 聡伊藤 哲大西 桜
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2013 年 74 巻 2 号 p. 516-521

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抄録
症例は43歳の男性で,繰り返す膵炎とCTにて限局的な尾側膵の腫大と膵管の拡張を認めたため当院紹介となった.保存的加療で急性膵炎が軽快した後,原因精査を行った.膵炎軽快後のCTでも尾側膵管の拡張は残存していたが,腫瘤像は認めず,EUSでも明らかな腫瘤像は認めなかった.PET-CTでも膵にFDGの有意な取り込みは認めなかった.ERCPでは膵尾部主膵管に狭窄像とその尾側膵管の拡張が認められた.膵管擦過細胞診ではclass II,膵液細胞診では疑陽性の結果を得た.小膵癌を否定できず膵体尾部・脾合併切除を施行した.病理組織学的検査所見では,膵尾部の膵管内に管腔状,一部乳頭状に発育する立方状膵管上皮を認め,PAS染色にて一部陽性であり膵漿液性嚢胞腺腫と診断した.今回,われわれは繰り返す膵炎で発症し術前画像診断では捉えられなかった主膵管内の2mm大の膵漿液性嚢胞腺腫の1例を経験したので報告する.
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