日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
会議情報

G12 初期地球と生命起源の地球化学
原生代初期Hotazel鉄鉱層の全岩化学組成から示唆される大酸化イベントによる生命進化への影響
*青木 翔吾中田 亮一柏原 輝彦大野 剛高橋 嘉夫Harilaos Tsikos小宮 剛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 180-

詳細
抄録

原生代初期に形成された南アフリカTransvaal累層群Hotazel層縞状鉄鉱層中には地球史上最初でかつ最大のマンガン鉱床が存在し、大規模な酸素増加が起きたことが示唆される。本研究では、Hotazel層ドリルコア試料の元素濃度分析を行い当時の環境復元を試みた。 岩相観察および主要元素組成からHotazel層最下部の鉄鉱層からマンガン堆積物層に向かって、鉄酸化物沈殿環境からマンガン酸化物および炭酸塩鉱物沈殿環境へと移行したことを示す。また最下部の鉄鉱層にのみEuの正異常が見られた。以上のことから、熱水活動の影響の低下に伴い、酸化的になるとともにpHの上昇によりマンガン酸化物および炭酸塩鉱物の沈殿を引き起こしたと考えられる。 またCoはMn濃度と正相関を示し、鉄酸化物に吸着したCoはHotazel層より古い地質帯の縞状鉄鉱層に比べて少ない。このことは当時の海洋CoがMn酸化物によって沈殿除去され、濃度が低かったことが示唆される。本発表ではこのことの生命進化への意義にも触れる。

著者関連情報
© 2016 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top