我々は、Sr同位体比(87Sr/86Sr)を指標とした、農作物・考古学試料(土器・骨など)の産地・生育地推定を目指し、<180 ?mの細粒河川堆積物を用いた広域Sr同位体比分布図の作成を進めてきた。これまで、Sr同位体比分布図には、背景地質の違いを忠実に反映した変動が認められることを報告してきた。しかし、岩石の代わりに河川堆積物を用いること(風化における同位体比分別問題)、細粒砂を試料に用いること(粒度問題)、動植物組織へのSr取り込み過程時の同位体比分別、など実際に起源分析に適応する前に、解決すべき問題が多く残されていた。そこで、本研究では、花崗岩、堆積岩、安山岩、変成岩など様々な岩種が出現する松山地方重信川水系を例に、河川水・湧水や粒度別に分けた河川堆積物試料を対象に、背景地質の影響、粒径効果、可溶性成分と溶存性成分のSr同位体比の関係などについて詳細な検討を行った。