日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G10 最先端計測・同位体化学の地球化学及び境界領域への応用
UV-FsLA-MC-ICP-MSを用いた高精度塩素同位体分析
*遠山 知亜紀木村 純一常 青Bogdan S. Vaglarov黒田 潤一郎
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キーワード: 塩素同位体, ハロゲン
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p. 183-

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抄録

ハロゲンはマントルの物質循環のトレーサーとして有用である。しかし、MORBのBr/Cl比とI/Cl比は間隙水と類似し、元素比による起源の判別は難しい。塩素同位体組成は標準平均海水(SMOC)を標準物質としてδ37Cl (0/00)で表記され、マントルは-0.5から4 0/00(John et al., 2010)、沈み込み帯の間隙水は-8 から-4 0/00 (Ranson et al., 2015)で、塩素の起源を判別できる可能性がある。従来の塩素同位体組成測定法(SIMS、TIMS、IRMS)はマトリックス効果によって正しい測定ができない等の問題点が報告されている(Sharp et al., 2013)。本研究では加熱分離法とFsLA-ICP-MC-ICP-MSを用いた新たな塩素同位体組成分析法を確立した。分析法の精度と確度を確かめるため、岩塩試料と塩化銀試薬、標準岩石試料(JB-1a)の分析を行った。

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© 2016 日本地球化学会
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