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微生物-ナノ粒子間相互作用の機構解明のために、酵母菌と不溶性セリアナノ粒子を用いた室内実験を行った。ナノ粒子に対する暴露によって細胞外放出物に含まれる有機物種の相対量に変化が生じた。また細胞内部のタンパク質をPMF解析したところEno2pの変異が生じたことから、ナノ粒子との相互作用は微生物の代謝活動を変化させることが分かった。また、微生物放出物の成分の中で糖類、リン酸がナノ粒子表面に優先的に吸着し、リン酸の静電斥力、有機分子の立体斥力によってナノ粒子のコロイド安定性が大きくなることが分かった。