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花崗岩の形成過程に水は重要な役割を果たすと考えられている。本研究では花崗岩に含まれる石英に着目し、顕微赤外分光分析法を用いて水の含有量を分析した。顕微赤外分光法では、試料は厚さ120 μmの両面研磨した岩石薄片を用いて、透過法により、アパーチャー30 μm×30 μmで測定し、3200 cm-1-3800 cm-1付近のブロードな水のピークを比較した。周囲がすべて石英に囲まれている石英のクラックの無い部分を測定すると、Ⅱ型Ⅲ型ともに水の含有量は石英の中心部からマントル部に向けて増加し、マントル部からリム部に向けて減少した。このような石英のうち、Ⅱ型とⅢ型でマントル部の最も高い含水量を比較すると、Ⅱ型に比べてⅢ型が高い傾向が見られた。この傾向は、石英に含まれる水の量がマグマの結晶分化作用に伴う含水量の変化を反映している可能性を示唆する。