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東北地方太平洋沖地震以降,立山・地獄谷において火山活動が活発化し,火山ガスに含まれる酸成分が増加している(環境省, 2013)。一方,冬期の火山活動は観測できず,その詳細や影響等は不明である。冬期の火山ガス成分は積雪に取り込まれると考えられ,本研究では,冬期火山活動の観測と,積雪中の火山ガス成分の溶出挙動を明らかにすることを目的とした。積雪のδ18Oなどから降雪時期を推定し, 積雪の[H+]と立山の標高変化を比較すると,同調がみられた。積雪中の火山ガス成分と標高変化を用いて,冬期火山活動の観測に活用することができた。噴気孔周辺の積雪はCl-により強く酸性化されていた。また,融雪時にはCl-は融雪に伴い急激に溶出しやすく,SO42-は徐々に溶出することが示唆された。