p. 149-
秋田県北鹿地域には1200万年前ごろに形成したMn鉱床が存在する。これらの成因を理解することは日本海形成に伴う長期的な海底熱水活動の変遷を理解する上で重要である。XRD, Raman分光分析法, EPMAを用いて鉱石中に10種類以上のMn鉱物が存在していることがわかった。緑泥石地質温度計や含有鉱物からMnに富んだ熱水は硫化物を伴うブラックスモーカーを噴出するよう海底熱水活動ほど温度が高くなかったことが推定された。本研究によって、比較的低温の熱水活動であってもMn鉱床を形成しうることが示唆された。地球史を通して低温の熱水活動は普遍的に存在したと考えられることから、海洋の元素循環に影響を与えてきた可能性がある。