日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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S01 地殻内流体の地球化学
霧島山硫黄山周辺に湧出する温泉水の化学組成・安定同位体比と火山活動に伴う変化
*谷口 無我大場 武高木 朗充小窪 則夫滿永 大輔稻葉 博明山部 美則池亀 孝光河野 太亮小枝 智幸林 幹太渡辺 茂古田 仁康山本 光成森 健彦角野 浩史川名 華織秋山 良秀
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p. 31-

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抄録

霧島山硫黄山周辺では2007年以降噴気活動が消失していたが、2013年12月頃から微小地震、2014年8月には火山性微動が観測され(船崎ほか, 2017)、2015年12月には山頂付近で噴気活動が再開した。硫黄山周辺ではその後も噴気量の増大や噴湯孔の出現、新たな噴気孔の形成に伴う土砂噴出が発生するなど(東京大学地震研究所, 2017)、活発な状態が続いている.本研究では、霧島山硫黄山周辺に湧出する温泉水の化学組成および水素・酸素安定同位体比を分析し、その起源や火山活動に伴う水質変化等を調査している。温泉水の多くは、火山性流体と天水起源の浅部地下水との混合から成る酸性硫酸泉であり、山頂噴気域近傍の噴湯孔では気液分離による重水素・重酸素の濃縮を受けたとみられる高いδD, δ18O値の酸性塩化物泉も認められた。定点観測を実施している温泉水では、火山活動に伴う水質や安定同位体比の変化が観察されている。

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