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揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound : VOC)の1つであるCH3Clは、成層圏でのオゾン分解に関与している。このCH3Clの生成源の1つとして、海洋に生息するバクテリアであるErythrobacter sp. が知られている。本実験ではErythrobacter sp. の培養を15℃、20℃、25℃、及び30℃の各温度で行い、CH3Clの生成を調べた。その結果、培養温度の上昇に伴いCH3Clの最大濃度が増加しただけではなく、細胞数当たりのCH3Clの生成速度も増加していることが分かった。以上のことから海洋での温度変化は海洋微生物によるCH3Cl生成に影響を及ぼすことが示唆された。