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マンガンクラストは、MnとFeの酸化物を主体とした数mm-10cmの厚さの堆積岩である。本研究では拓洋第3海山で採取したクラスト表面の主成分元素・微量元素組成の分析を行い、拓洋第5海山のクラストとの比較を行った。拓洋第3海山クラスト表面の化学組成は、拓洋第5海山のものより幅広い組成変化を示し、水深と共にMn/Fe比, Mn, Fe, REE (∑REE), U, Pb, Ba, Sr, Be濃度が低くなる。一方、アルカリ金属およびAl濃度は水深が深くなるにつれて、拓洋第5海山と比較して大きく増加する。これらの拓洋第3海山のクラストの化学組成変化は、深海堆積物成分の寄与を色濃く反映した結果であり、深いクラストほどその寄与が大きいことを示している。すなわち底層流によって巻き上げられた深海堆積物がクラスト表面の化学組成に大きく関与することを示している。