日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
拓洋第3海山マンガンクラスト表面の主成分・微量元素から探る海水, 堆積物-クラストの相互作用
*渡慶次 聡鈴木 勝彦加藤 真悟臼井 朗
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p. 18-

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抄録

マンガンクラストは、MnとFeの酸化物を主体とした数mm-10cmの厚さの堆積岩である。本研究では拓洋第3海山で採取したクラスト表面の主成分元素・微量元素組成の分析を行い、拓洋第5海山のクラストとの比較を行った。拓洋第3海山クラスト表面の化学組成は、拓洋第5海山のものより幅広い組成変化を示し、水深と共にMn/Fe比, Mn, Fe, REE (∑REE), U, Pb, Ba, Sr, Be濃度が低くなる。一方、アルカリ金属およびAl濃度は水深が深くなるにつれて、拓洋第5海山と比較して大きく増加する。これらの拓洋第3海山のクラストの化学組成変化は、深海堆積物成分の寄与を色濃く反映した結果であり、深いクラストほどその寄与が大きいことを示している。すなわち底層流によって巻き上げられた深海堆積物がクラスト表面の化学組成に大きく関与することを示している。

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© 2018 日本地球化学会
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