侵食速度の定量的な評価は地球表層システムにおける相互作用を議論する上で重要である.地表の岩石の露出年代や侵食速度を求めることは,地質学において根源的な研究テーマであった.侵食速度は主に堆積場における堆積物の量から求められることが多かった.1980年代の加速器質量分析器の発展により鉱物結晶中の極微量の宇宙線照射生成核種の測定が可能となり,侵食場において地表の侵食速度を求めることが可能になった.現在では宇宙線照射生成核種は地表プロセス研究において幅広く利用されている.本発表では宇宙線照射生成核種を用いた年代測定と侵食速度算出の原理について紹介し,研究発展の経緯および最近の研究動向と応用可能性について議論する.