日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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S01 加速器質量分析によるアンソロポシーンの地球化学
長寿二枚貝殻を用いた北日本の核実験起源14C記録の作成と古環境学的応用
*窪田 薫白井 厚太朗杉原 奈央子清家 弘治棚部 一成南 雅代中村 俊夫
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p. 228-

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抄録

1950年から1960年代にかけて世界中で行われた大気圏核実験に伴い、地表の放射性炭素が急増した。海水の核実験起源14C記録は海水炭素循環の理解を深める上で役立つが、比較的長寿の生物の硬組織が必要であることから、これまでに得られた記録は造礁サンゴが分布する熱帯〜亜熱帯域に偏っている。我々は、北日本の浅海底から見つかった長寿二枚貝ビノスガイ(Mercenaria stimpsoni)の殻を用いて、北西太平洋高緯度域としては初となる記録を作成した。復元されたBomb-14C記録から、三陸海岸の浅海域において、津軽暖流(対馬海流を起源とする)の影響が強く見られることがわかった。さらに、得られたBomb-14C記録を船越湾(岩手県大槌)の海底から得られたビノスガイの死殻の高精度の年代決定ツールとして用いることで、2011年3月11日の大津波がビノスガイの大量死を招いていたことがわかった。

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