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底生有孔虫の酸素同位体比は数百万年前から2万年周期、4万年周期、10万年周期とフェーズを変えながら変動してきているが、これまでに提案された地球の公転軌道仮説や氷床仮説でもこのフェーズの変化を説明できていない。そこで演者らは珪藻の活動を介して海洋のケイ酸インベントリーと炭素インベントリーが連動し、それが大気二酸化炭素等の氷期―間氷期サイクルを生み出したのではないかとする仮説“海洋ケイ酸非定常仮説”を提案し、モデル化した。日射量変動のパラメータを入れていないにも関わらず、海洋ケイ酸非定常モデルによる大気二酸化炭素濃度や気温は、全循環炭素量を徐々に減らしていくとある時点を境に振動が始まり、また現在に近づくにつれてその変動が大きくなっていく様子がすでに再現できた。