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瀬戸内海堆積物を用いて珪藻の殻含量を17種類のステロイドそれぞれの割合と比較したところ,campesterol 比(%)と正相関し,最も相関係数が高かった。campesterolは,ostreasterolとbrassicasterolに次いで,生合成する珪藻の種数が多いステロイドである。ostreasterolとbrassicasterolは,それぞれ渦鞭毛藻と円石藻も生合成する成分であり,珪藻以外の主要な生産者の寄与も反映して変化した結果,珪藻殻と顕著な相関が見られなかったのだと考えられる。一方,珪藻殻含量と渦鞭毛藻指標であるdinosterol比(%)は,逆相関の関係にあった。近似線から大きく外れる試料は,相対的に珪藻殻量が少なく,採取地点は陸に近い場所であった。保存バイアスの影響を考慮する必要性はあるものの,より沖側の海域では珪藻と渦鞭毛藻の単純な競争関係で有機物埋積が説明でき,陸に近い場所では珪藻生産が渦鞭毛藻以外の第三の生物群によって抑えられている可能性がある。