主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 136-
鉄-チタン酸化物は微量ながらもあらゆる岩石に普遍的に含まれる.これらの鉱物は,地球磁場強度やマグマ中の酸化還元状態を鋭敏に記録し地質学的に重要な鉱物の1つであるが,それらの情報を「いつ記録したのか」という形成時期の理解は進んでいない.本研究では,鉄-チタン酸化物へのウラン-鉛年代測定法の適用可能性に着目し,鉄-チタン酸化物を岩石形成領域となる温度圧力のもとで合成して結晶相への鉛の非適合性を評価した.本実験ではFeO-TiO2の粉末混合物において,圧力・温度・保持時間がそれぞれ2 GPa・1,200 ℃・15分のとき,イルメナイトの合成に成功した.添加した鉛は鉄-チタン酸化物の結晶相には取り込まれず,金属相やアモルファス相へ濃集した.さらにLA-ICPMSによる定量分析の結果,結晶相における鉛濃度は出発物質より1桁弱低い値を示し,岩石形成領域における鉛の非適合性に関する実験的な結果を初めて得た.