日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G9 地球化学のための最先端計測法の開発、および、境界領域への挑戦
LA-ICP-MS/MSを用いたジルコン中の微量元素測定 における高確度化の検討
*横山 晶坂田 周平澤木 祐介山本 伸次深海 雄介大野 剛
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キーワード: LA-ICP-質量分析, ジルコン
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p. 148-

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抄録

地球の誕生から6億年の間は冥王代と呼ばれ、物的証拠が少ないことから当時の地球表層環境を知ることは難しい。数少ない物的証拠として注目されているのがジルコンである。ジルコンは、化学的変性や風化に強いことから冥王代に生成したジルコンが当時の化学組成を保持したまま現存してケースがある。またジルコン中の微量元素が生成した当時の環境を反映していることが知られており、ジルコンは冥王代の環境を知る手掛かりとして期待されている。固体ジルコンの代表的直接分析法にはSIMSやLA-ICP-MSが挙げられ、LA-ICP-MSはSIMSと比較して測定が迅速といった特徴がある。一方従来のLA-ICP-MSではFe, Scなどの元素がスペクトル干渉を発生するため確度の良い測定が難しいとされている。本発表ではジルコン中の微量元素から冥王代の地球表層環境の推定することを目標に、2つの質量分離部を直列したLA-ICP-MS/MSを用いて従来では測定の難しいFe, Scの測定確度の改善を試みた。

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