日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
会議情報

G3 海洋の地球化学
海洋中の微量元素ビスマスの分布と動態に及ぼす地形・縁辺域の影響
*角田 隼則末 和宏
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 45-

詳細
抄録

海洋中の微量元素の分布の解明は物質循環の解明に有用である。本研究では東シナ海周辺海域における微量元素Biの分布を明らかにし、その動態に及ぼす海底地形及び海洋縁辺域の影響を調べることを目的とした。採水地点は要旨に記載。陸地に近いSt.1、および陸棚上で水深の浅いSt.3及びSt.4では、溶存態Biの濃度が低く、一方で水深が比較的深いSt.2では溶存態Bi濃度が高くなった。St.5からSt.15では表層の濃度が高く、深層の濃度が低い、除去型の鉛直分布を示した。また、伊豆・小笠原海溝(St.B)に比べ、琉球海溝(St.13, St.15)では深層水柱を通して約10倍濃度が低いことが分かった。これは、縁辺域に位置する琉球海溝での除去によるものと推定される。溶存態Biの滞留時間は、東シナ海及び周辺海域では、約0.3から4年、伊豆・小笠原海溝では約17から26年であることがわかった。東シナ海及び周辺海域で明らかに短い滞留時間は、海洋縁辺域や海底地形の影響によるものであると考えられる。

著者関連情報
© 2020 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top