日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
会議情報

G1 大気とその境界面における地球化学
ラビリンチュラ類による揮発性有機化合物生成への培養温度の影響
*酒井 晃奥田 祐樹橋本 伸哉
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 9-

詳細
抄録

揮発性有機化合物に含まれるハロカーボンは、オゾンの分解などに関与しており地球の大気環境に影響を与えている。これまでに、ハロカーボンの生成について熱帯植物や海洋植物プランクトン等に着目した研究は多く行われている。しかし、海洋に広く分布し、工業的利用も検討されているラビリンチュラ類によるハロカーボン生成に関する報告はほとんどされていない。そのため本研究では、ラビリンチュラ類について培養実験を行い、モノハロメタンを含む揮発性有機化合物生成及びその生成への培養温度の影響について調べた。実験ではラビリンチュラ類ヤブレツボカビ科を研究対象とし、25℃及び30℃での培養実験を行った。実験の結果、本研究で使用したラビリンチュラ類によるCH3Clの生成には温度が影響することが示唆された。また、CH3Iの生成量は過去の研究と比較しても多量であり、ラビリンチュラ類が海洋環境中でのCH3I生成に関与している可能性が考えられた。

著者関連情報
© 2020 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top