演者らは、広く青森県津軽地域の温泉水試料を採取し、その主要成分分析を行っている。分析結果はトリリニアダイアグラムを用いて解析した。酸性物質が火山ガスとして加わる群は、炭酸水素イオンを含まないため、ダイアグラムの外辺上にプロットされ、明瞭に分離された。津軽地域で最も数の多い温泉群は、高温高圧下で海水が変質し、硫酸マグネシウムの除去と残ったマグネシウムの一部がナトリウム・カリウムに交換したいわゆる化石海水を端成分に持つものであった。シミュレーションによると、もう一方の端成分は炭酸カルシウムと高濃度のナトリウム・カリウムを含む地下水で説明された。残る温泉のうち多数の群は、端成分に現在の海塩組成を持つ天水と、アルカリ・アルカリ土類金属元素がさまざまな比を持つ地下水との混合で説明された。温泉群の分布などからこれら3つの群に明瞭に分離される機構を解析している。