オマーンオフィオライトの火山岩層には、初期島弧の火成活動を特徴づけるボニナイトが含まれることが明らかにされており、それらの火山岩類の地球化学的特徴は、沈み込み最初期におけるスラブ―マントル相互作用を理解するための重要な鍵である。本研究では、ボニナイト、および先行して噴出した初期島弧ソレアイトについて、Sr-Nd-Pb同位体比の測定を行った。初期島弧ソレアイトがスラブ流体で汚染されたマントルの融解と整合的な同位体組成を示すのに対し、ボニナイトの組成は、スラブ流体に加えて少量のスラブメルトの寄与を必要とする。初期島弧火山岩類におけるこのような同位体的特徴の時間変化は、沈み込みの進行に伴い、初期島弧ソレアイトよりもそれに続くボニナイトのマグマ形成過程で、より高温のスラブが関与していたことを示唆している。