北海道渡島半島〜青森県に分布する海成下部更新統から産出する有孔虫化石を用いて、古津軽海峡の位置を再検討する。津軽海峡周辺地域における演者の従前の研究では、前期更新世にも現在とほぼ同じ位置を古津軽暖流が流れていた。今回報告する津軽半島中東部の下部更新統産有孔虫化石も暖流の影響を示し、この地域を暖流が流れていたとの推定を支持する。一方渡島半島中部の下部更新統は、上部漸深海帯程度の水深で堆積した推定されるが、暖流の影響を示す有孔虫化石は得られていない。渡島半島中部を横断する海峡が存在した可能性は否定できないが、古対馬暖流が流出するような海峡であったことを示す証拠はない。