日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G05 古気候・古環境解析セッション
鮮新世温暖期における西南極大陸氷床の大規模融解:アムンゼン湾堆積物試料のFe-Mn水酸化物のPb同位体比分析から
*野田 昌裕藤本 美柚堀川 恵司申 基澈IODP Expedition 379 Scientists
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p. 59-

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抄録

海底堆積物の粒子表面に付着するFe-Mn水酸化物は、海水―海底面境界で形成される。Fe-Mn水酸化物には、Pbなどの金属元素が数ppm含まれており、これらの同位体比は形成時の底層水の海水組成を反映しているとされる。南極周辺海域においては氷床末端域の沈み込み水(高密度陸棚水、DSW)と外洋から流れ込む周極深層水(CDW)があり、それぞれのPbフラックスの影響がFe-Mn水酸化物中のPb同位体比に反映されると考えられる。そこで本研究では、西南極アムンゼン湾沖で採取された海底堆積物を対象として、Fe-Mn水酸化物中のPb同位体比からアムンゼン湾沖の海水Pb同位体比の復元を試み、特に西南極大陸氷床の融解があった時期に注目してCDWの流入履歴を確認した。また、内部の砕屑物について周辺陸域の岩石試料中のPb同位体比と比較し、氷床融解に伴った砕屑物の供給源の評価も行う。

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