超微量測定システムの開発と炭素質隕石中の炭素/窒素/硫黄の定量および多次元同位体比分析の最適化

抄録

小惑星探査機「はやぶさ2」 によるリュウグウ試料の入ったサンプルコンテナは、2020年12月に地球に帰還した(e.g., Tachibana et al., 2021; Yada et al., 2021)。2021年6 月より、初期分析チームによる精密分析が、本格的に始動している。分析チームのうち、「可溶性有機物(SOM: Soluble Organic Matter)チーム」では、2019年より多角的な分析リハーサル(炭素質隕石試料およびプロセスブランク試料を使用)を実施してきた(e.g., Naraoka et al., 2020)。本講演では、超微量に最適化した測定システムの開発およびリハーサル分析結果の一部として、初期固体試料(IB: Initial bulk)とSOM抽出後の不溶性残渣試料(IOM: Insoluble Organic Matter)の炭素・窒素・硫黄の存在量と多次元安定同位体比の解析結果を報告する。