主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 113-
鹿児島県中央部に存在する姶良カルデラ下にはマグマ溜まりが存在するとされ、カルデラ内には活動的な火山「桜島」や海底火山の「若尊」が存在する. 本研究では姶良カルデラ周辺の温泉水の成分から、姶良カルデラ下に存在するマグマと温泉の関係,そして地質構造との関係を明らかにすることを試みた.また,火山や地震などの地殻変動に伴う流体変化を検出する試みとして、2016年から姶良カルデラ周縁に位置する温泉水の継続的な採取・分析を行っている.姶良カルデラ周縁の24温泉について、ヘリウム同位体比(3He/4He)の結果から,鹿児島地溝上,特に活断層に近い温泉では高い傾向が認められた.また,温泉水中ラドン濃度も断層付近で高くなる傾向が認められた.これらの結果から、温泉成分は地質構造,特に断層に規制され上昇し,断層の特徴を有していることがわかる.定期観測結果では,ラドン濃度の変化が著しいことが明らかになった.