主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 91-
高緯度域や熱帯域東部の海水温が顕著な寒冷化を示す一方、熱帯域西部の暖水塊は大きな水温変化を示さず、緯度方向・経度方向の温度勾配が増加したことが知られている。しかしながら、太平洋中央部における古海洋記録はほとんど得られていないことから、暖水塊や冷水舌の発達の詳細理解にまでは至っていない。本発表では、中央熱帯太平洋域マニヒキ海台にて採取された堆積物中の浮遊性有孔虫殻化学分析を用いて、過去220万年間にわたる鉛直水温構造の変化を復元した結果を報告する。表層水温は過去220万年間を通して高い温度(~29℃)を示した。躍層水温は170万年前に約2℃の急激な上昇を見せたのち約90万年前まで緩やかな上昇(~1℃)を示し、その後現在に向けて約2℃の低下を示した。こうした水温変化は、第四紀における熱帯太平洋表層水温の東西非対称性の発達過程で、中央部に暖水塊が存在した可能性を示唆する。