主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 127-
炭素質コンドライトは前生物的化学反応を記録し、生命の材料を初期地球に供給したとして注目されている。RNA構成要素のリボースを含む糖は隕石から検出されているが、限られた試料でしか分析されておらず水質変質が糖に与える影響は不明である。本研究では、LON 94101(CM2.2-2.3)中の糖の含有量を分析した。また母天体内部の模擬反応としてホルモース型反応実験を行い、生成物の糖組成を隕石と比較した。隕石分析の結果、リボースを含む4種類の五炭糖と3種類の六炭糖を同定した。五炭糖総含有量は、水質変質度のより低いマーチソン隕石(CM2.5)の値よりも低かった。模擬実験では炭素数に応じた糖の減少傾向が見られ、長時間反応後の生成物の組成が隕石結果と類似していた。このことは、小惑星内の水質変質の初期段階でホルモース型反応により糖が形成され、徐々に糖の組成が変化することを示す。また、水質変質程度の低い隕石や彗星塵が初期地球に糖を供給した主要なキャリアであったことを示唆している。