2020 年 76 巻 5 号 p. I_75-I_80
ケン河口およびファン河口は,それぞれベトナム北部ハティン省および南部ビントゥアン省に位置し,いずれにおいても砂嘴の成長が著しい.砂嘴の発達は洪水時に河口水位のせき上げをもたらし,治水安全度の低下をもたらす.しかし,途上国においては現地資料が乏しく,様々な対策検討が困難な場合が多い.本研究では1988年以降に撮影されたLandsat画像をもとに両河口における砂嘴の変動に関する定量的な検討を行った.その結果,砂嘴はほぼ一定の速度(ケン河口:65m/年,ファン河口:185m/年)で延伸していることが分かった.ただし,ケン河口においては砂嘴の決壊が生じないのに対して,ファン河口では10年から15年に一度決壊が生じていた.また,砂嘴成長速度と,既往研究による漂砂移動限界水深,バーム高さより,沿岸漂砂量の推定を行うことが出来た.