海底火山を給源とするテフラは、二次堆積や変質の影響を受けやすく、その年代学的検討が困難な場合がある。本研究では、津軽海峡の海底にある銭亀火山を給源とし、MIS3 の年代指標として有効な銭亀―女那川テフラ(Z-M) を対象とし、LA-ICP-MSによるジルコンU-Th 非平衡年代測定での年代制約を検討した。分析手法の精確性を評価するため洞爺軽石中のジルコンを測定し、アイソクロン年代は128 ka と得られ、本研究と同手法による年代値と整合的な結果となった。Z-M中のジルコンを分析した結果、(230Th/232Th)-(238U/232Th) 図上で平衡線にのるような噴火年代を記録していないジルコンも多く、約100 ka のU-Th 非平衡モデル年代をもつ粒子が多く含まれていることが分かった。今後は、各ジルコンの形状や化学組成等の特徴を把握しつつ、U-Th 非平衡年代測定を試みる。