ウラン同位体比測定におけるMC-ICP-MSの利用は地球化学や地質年代学、原子力や核不拡散の分野において一般的であり、表面電離型質量分析(TIMS)に比べて高速であること、試料の前処理時間が短いことが特長である。一方、精度や正確さの面ではTIMSに軍配が上がるとされ、主にMC-ICP-MSのイオン化技術に特有の不確かさ、また定期的に必要な異なる検出器間のクロスキャリブレーションの制約などに因るとされている。本発表では、最新型MC-ICP-MSにて測定したウラン同位体比のデータを示す。優れた安定性のマスバイアスと高いアバンダンス感度をもつプロトタイプの装置で、Isotopx社独自のATONAテクノロジーを採用することにより極めて低い検出器ノイズと非常に高いダイナミックレンジを特長とする。さまざまなサンプルサイズで測定されたウラン同位体比は高精度で再現性が高く、ウランや他のアクチノイド分析におけるMC-ICP-MSの可能性を示した。