地質学雑誌
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論説
関東山地北西部,山中白亜系と蛇紋岩の不整合露頭の発見とその意義
平内 健一久田 健一郎伊庭 靖弘
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2006 年 112 巻 7 号 p. 452-458

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抄録
関東山地北西部において山中白亜系白井層と蛇紋岩が不整合関係を示す露頭を発見した.これにより,関東山地の黒瀬川帯の蛇紋岩には,断層帯の構成要素としての蛇紋岩と,山中白亜系の基盤岩としての蛇紋岩が存在することが明らかになった.不整合面は凹凸をなし,白井層基底部は不整合面と高角に斜交してアバットしている.白井層に含まれる蛇紋岩礫はアンチゴライトを主体とすることが多く,下位の蛇紋岩と組織と構成鉱物の点で異なる.よって,蛇紋岩礫のほとんどは,堆積場の比較的近傍に露出していた,アンチゴライトを主体とする蛇紋岩体からもたらされたと考えられる.白井層の堆積年代であるHauterivianには,粗粒堆積物で構成されるような汽水域に蛇紋岩が露出していたと考えられる.
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© 2006 日本地質学会
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