地質学雑誌
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論説
千葉県銚子の愛宕山層産ペルム紀フズリナ類とその構造地質学的重要性
田沢 純一長谷川 美行
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2007 年 113 巻 8 号 p. 406-416

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抄録
銚子の上部ペルム系愛宕山層(高神礫岩)から報告されている10属15種のフズリナ類について分類学的再検討を行い,南部北上帯(南部北上山地)と黒瀬川帯(九州)のペルム紀フズリナ類と比較した.その結果,銚子フォーナは,種属構成において黒瀬川帯のものにより近似するが,両者のおおよそ中間的な性格を持つフォーナであることが判明した.このことは,南部北上帯と黒瀬川帯が構造的に一連の帯であることを示唆する.銚子地域のペルム系愛宕山層とその上に不整合で重なる可能性の高い白亜系銚子層群は関東山地の黒瀬川帯に属し,南部北上帯-黒瀬川帯のほぼ中間に位置する地質体であると考えられる.
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© 2007 日本地質学会
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