日本草地学会誌
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草地におけるアレロパシーの解明とその評価に関する研究 : V.ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)根滲出物中の活性物質の捕集,単離
高橋 佳孝大谷 一郎萩野 耕司
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1993 年 39 巻 2 号 p. 236-245

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抄録
ペレニアルライグラスを砂耕栽培しているポットの下部にXAD-4樹脂カラムを装着した循環型根滲出物捕集装置を設置し,樹脂に吸着・濃縮された疎水性の根滲出物を溶出・単離し,分析した。得られた結果の概要は以下のとおりである。1.XAD-4樹脂に吸着されたペレニアルライグラスの根滲出物はシロクローバおよびレタスの幼植物の生長を抑制したが,常法により分画し,検定した結果,中性画分にシロクローバの生長を抑制する強い活性が認められた。2.上記の中性画分に含まれる活性成分をメチルエステル化し,ガスクロマトグラフ質量分析計によって分析した結果,ラウリン酸,ミリスチン酸,ペンタデカン酸,パルミトレイン酸,パルチミン酸,オレイン酸およびステアリン酸の7種類の脂肪酸とp-メトキシ安息香酸が検出された。また,これらの脂肪酸のいくつかは,ペレニアルライグラスの根および栽培土壌にも存在していることが明らかになった。3.上記の脂肪酸のうち代表的な4種類の脂肪酸のNa塩は,5ppm以上の濃度でシロクローバの幼植物の生長を有意に阻害した。4.以上の結果から,根から滲出する脂肪酸はペレニアルライグラスのアレロパシー特性に関与する重要な物質であると考えられた。
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© 1993 著者
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