抄録
本研究は,昭和51年商業統計国勢統計区資料を用いて,福岡・札幌両市の小売業種の分布パターンの類型化と,小売商業の地域構造について比較考察したものである.クラスター分析などにより,小売商業の業種分布の類型化を行なった結果,両都市の小売業種の分布パターンは類似し,「求心型」,「分散型」,「主要幹線指向型」,「離心型」の4群に類型化されることが判明した.次に,因子分析法により,小売商業の地域構造を求めた結果,次のことが明らかになった. (1) 両都市とも「高次的中心機能」と「遍在的立地機能」が2大主要因子を構成し,さらにこうした2因子構造では説明できない小売業種の存在も明白となり,福岡市では「自動車関連業種」の因子なども抽出された. (2) 両都市の小売商業の地域構造を比較すると,福岡市では商業中心地の規模的分化がみられるのに対して,札幌市では中心商業地区を除くと,商業中心地は比較的未分化である.