宝石学会(日本)講演会要旨
2024年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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2024年度 宝石学会(日本) 一般講演要旨
エチオピア、アクスム産ブルーサファイアに混在していたゾイサイト試料における U–Pb 年代測定の試み
*桂田 祐介Brendan C. HoareSarah E. ArdenAaron C. Palke
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p. 7

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抄録

バナジウム着色のブルー~バイオレットの灰簾石(ゾイサイト)は、タンザナイトの宝石名で知られ、その産地はタンザニア北東部のメレラニ地域に限られている。メレラニ産のタンザナイトの成因や形成年代については多くの先行研究があり、 650から 620 Maとされるアフリカ造山運動極大期の後、 570~530Maのクーンガン造山運動期に一連の結晶化があったと見られている(たとえばFeneyrol et al. 2017)。

エチオピア北部アクスム産のサファイアの原石ロットに混入していた淡青色の鉱物片は、検査の結果、ゾイサイトであることが判明した。アクスムのサファイアは玄武岩タイプであり、鉱床は二次鉱床であるが、同地域からのゾイサイトの産出は未報告である。

本研究では、メレラニでタンザナイトとともに産出するグロッシュラーガーネットに対して適用したレーザーアブレーション・誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)を用いた U–Pb 年代測定法(Hoare et al. 2024)を援用し、アクスム産サファイアと混在していたゾイサイトの年代を測定した。また、これをメレラニ産タンザナイトの年代測定結果と比較した。

結果は、タンザナイト試料の年代 555.2±5.7 | 8.1 Ma (n = 37/45; MSWD = 1.9)と整合的であり、ゾイサイトは周辺の変成岩に由来するものではない限り、流通の過程でタンザニアのものが混入した可能性が考えられる。

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