宝石学会(日本)講演会要旨
2026年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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2026年度 宝石学会(日本) 一般講演要旨
真珠層の削りにおける影響について
*長谷川 優, 田澤 沙也香, 山本 亮, 矢﨑 純子
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p. 22

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抄録

真珠を形成する真珠層は、炭酸カルシウムとタンパク質が交互に積み重なる層状構造をしている。養殖真珠は、球状の養殖用核の上に真珠層が積み重なっているため、酸やアルカリなどに対し、深層部にまで到達するには時間がかかると言われている。

シロチョウ真珠など一部のまきの厚い真珠では、磨きと称して表面の凹凸キズを平滑にする削りが行われている ※。この削りが真珠に与える影響についていくつかの観察実験を行ったので報告する。

まず、真珠層が厚いシロチョウガイ貝殻のブロックを作製し、その性質を確認した。層に垂直の方向に入った光は、層ごとに吸収され透過する光量は少ないが、層に平行に入った光は透過量が大きい。また、シロチョウガイ貝殻の真珠層部で 1mmの厚さの薄片を層に平行方向と垂直方向の2種作製し比較すると、層に垂直方向では、平行方向に比べ透けることが確認できた。

真珠層はこのような性質を持つが、表面の凹凸がある真珠は、真珠層の結晶層も表面の凹凸とほぼ同様の曲面を持っているため、表面を平滑に削ることによって真珠層の断面が露出することとなる。削った面は、透明感を持ったように見えるが、結晶層の角度により、強い光を当てると白濁して見えるようになる。この時真珠層は、断面が露出しているため、経年劣化のスピードは加速されると想定できる。

また、酸やアルカリにより表面が溶解し微細な凹凸ができた時、真珠に当たる光は散乱し白濁して見えるが、表層部のみの荒れであれば、磨くことで真珠のテリは復元される。しかし削り箇所への酸アルカリの影響では、断面が露出しているため深層部にまで到達している可能性が考えられるため、いくつかの劣化加速実験を行ったので報告する。

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