日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成16年度秋期第44回日本歯科理工学会学術講演会
セッションID: 1S-03
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交互浸漬法により得られるHApアガロース
*明石 満
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キーワード: 再生
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抄録
交互積層法による高分子超薄膜創製に関する研究を行ってきた。ポリアニオンとポリカチオンは基板上に交互に吸着させ積層することができる。基本的にはそれぞれの水溶液に交互に漬け込む操作だけで、ナノレベルで制御された高分子薄膜が得られる。ポリイオンに替わってカルシウムイオン(カチオン)、またポリアニオンに替わってリン酸イオン(アニオン)の水溶液に、ヒドロゲルやフィルムを交互に浸漬するとヒドロキアパタイト(HAp)が生成する。HApはカルシウムのリン酸塩である。両方の液を混ぜると沈殿が生じてしまうが、この交互浸漬法ではヒドロゲル内でHAp結晶が生成する。バイオマテリアルとして応用研究を進めている。国立都城病院歯科部長の田畑雅士博士と、抜歯腔を埋め、止血効果、骨再生能等のあるHAp材料の開発を行った。臨床応用を目的に、ヒドロゲルにアガロースゲルを用いて生分解性高分子HApハイブリッド材料とした。アガロースゲル内に数百nmのHApが形成されている材料である。歯科材料としての種々の機能を評価した。例えば、抜歯後の歯腔にHApアガロースを充填すると瞬時に止血した。HApの血栓形成能はよく知られている機能である。また、サルの抜歯HAp充填の実験から、HApアガアロースは骨形成能に富むことがあることが明らかになった。交互浸漬HApは、結晶性が低い吸収性HApであり、骨再生にはきわめてよい条件を備えていると考えている。さらにイヌを用いた実験系を設定し、歯周病への有効性についても評価を行っている。  患者への使用については既に都城病院の倫理委員会での承認が得られており、口腔外科領域の重篤な骨欠損や歯周病への有効性を明確にして行きたい。また、HApアガロースは、インプラントにおける骨再生に極めて有効であるシステムであると考えている。  以上、今回のシンポジウムの趣旨である歯科分野での産官学連携の一つの事例として、工学分野から歯科領域を含む大学発ベンチャーを立ち上げた経験を紹介した。この紹介が、歯科理工学会員に、歯科領域で産業活性化に向けた活動に対し一つの示唆となることを希望する。
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© 2004 日本歯科理工学会
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