日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成16年度秋期第44回日本歯科理工学会学術講演会
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  • -The last challenge in bonding to tooth structure?-
    John Powers
    p. 1
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    Bonding of dental restorative materials to tooth structure can be adversely affected by numerous clinical factors. Bonding agents and self-adhesive materials that are affected by these factors are often considered to be technique-sensitive materials. Factors that can affect in vitro bond strength to human teeth include substrate (enamel, superficial dentin, deep dentin; permanent versus primary teeth; caries-affected dentin), phosphoric acid when used in conjunction with acidic primers or self-etching adhesives, preparation by air abrasion and laser, moisture, contaminants (saliva, blood, eugenol, peroxides), desensitizing agents, astringents, and even self-cured restorative materials. This paper reviews the literature with a focus on studies conducted at the Houston Biomaterials Research Center from 1993-2004. Results show that in vitro bond strengths can be reduced by more than 50 percent when bonding conditions are not ideal. Thus the clinician must be aware of clinical factors that affect bonding and must have techniques to counteract these factors. A dental manufacturer seeking to improve a bonding system should strive to decrease the technique sensitivity of the system.
  • 土屋 利江
    セッションID: 1S-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    平成17年度、大幅な薬事法改正が施行される。これは、医療機器関連にかかわる安全対策の抜本的見直しに伴うもので、人体へのリスクに応じた安全対策を講じるための医療機器のクラス分類を行うとともに、低リスク医療機器にかかる第三認証制度や、高リスク医療機器にかかる販売許可制度が導入される。  組織工学医療用具は、細胞組織医療機器として、医療機器に分類される。また、生物由来の医療機器・医薬品は、ヒトや動物由来の原料を用いた製品によるエイズやヤコブ病感染問題の反省を受けて、生物由来製品というカテゴリーを新設し、感染防止対策を柱とした改正を行った。  細胞組織医療機器のみならず、新医療機器も健全に発展する上で安全性・有効性・品質評価にかかる基盤的技術の確立や、試験法・ガイドライン等の徹底は特に必要である。  また、医療機器の安全性・有効性・品質管理、GMP,GCPなど医療機器に関するこれらの重要な領域での専門家の育成を行うことが安全で有効な医療機器の開発を加速する。国立医薬品食品衛生研究所 医薬品医療機器審査センターが平成16年4月に独立法人化し、医薬品医療機器総合機構となった。 医療機器の審査体制が構造的にも、人的にも一層充実されることとなっている。  医療機器における有効性・安全性・品質確保について、金属等をモデルとしてその開発戦略について考え方を述べる。
  • 岩渕 明
    セッションID: 1S-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    日本トライボロジー学会は主として工学における摩擦・摩耗・潤滑に関する分野をカバーしている.しかしこのトライボロジーはバイオ分野を初めとして様々な分野とも関わりをもっている.個人的には数年前,高松で行われた全国大会の特別講演で歯ぎしりによる摩耗の激しさに驚いた経験がある.歯科理工学の分野においては歯(義歯)の摩耗やかみ合わせの接触圧力,歯の摩擦,歯の研磨技術など非常に関連性があるが,我々はこの世界をあまり知らない.したがって二つの学会の連携を考えたときに,我々は現代の摩擦・摩耗理論,試験法を紹介することで,歯科理工学で行っている解析技術に貢献できると考えるし,歯科理工学からはトライボロジー現象の特異な環境における科学的・工学的な興味を提供して貰えると考える.  歯の摩耗機構として,歯磨きペーストの研磨剤がエナメル質や義歯母材を摩耗させるのは,硬いもので軟らかいものを擦るときのアブレシブ摩耗であるが,それを定量的なモデルで説明できれば,新たな材料開発につながる.研磨された歯の表面粗さの違いが与える食感の違いは人間のフィーリングに影響するので,新たなトライボロジーの分野の開拓に繋がる.また,我々は摩擦・摩耗を制御するために工学表面のテクスチャリングに関心をもっているが,歯の表面の微細な凹凸はまさにテクスチャリングの例であり,その凹凸に保持された唾液が多分潤滑油の働きをし,噛み心地や食物(異物)の歯への凝着・移着を阻止していることが想像される.この辺の解明は工学的にも十分利用可能なアイデアとなる.  以上述べたような例を挙げながら両学会の連携の接点を探っていきたい.
  • 明石 満
    セッションID: 1S-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    交互積層法による高分子超薄膜創製に関する研究を行ってきた。ポリアニオンとポリカチオンは基板上に交互に吸着させ積層することができる。基本的にはそれぞれの水溶液に交互に漬け込む操作だけで、ナノレベルで制御された高分子薄膜が得られる。ポリイオンに替わってカルシウムイオン(カチオン)、またポリアニオンに替わってリン酸イオン(アニオン)の水溶液に、ヒドロゲルやフィルムを交互に浸漬するとヒドロキアパタイト(HAp)が生成する。HApはカルシウムのリン酸塩である。両方の液を混ぜると沈殿が生じてしまうが、この交互浸漬法ではヒドロゲル内でHAp結晶が生成する。バイオマテリアルとして応用研究を進めている。国立都城病院歯科部長の田畑雅士博士と、抜歯腔を埋め、止血効果、骨再生能等のあるHAp材料の開発を行った。臨床応用を目的に、ヒドロゲルにアガロースゲルを用いて生分解性高分子HApハイブリッド材料とした。アガロースゲル内に数百nmのHApが形成されている材料である。歯科材料としての種々の機能を評価した。例えば、抜歯後の歯腔にHApアガロースを充填すると瞬時に止血した。HApの血栓形成能はよく知られている機能である。また、サルの抜歯HAp充填の実験から、HApアガアロースは骨形成能に富むことがあることが明らかになった。交互浸漬HApは、結晶性が低い吸収性HApであり、骨再生にはきわめてよい条件を備えていると考えている。さらにイヌを用いた実験系を設定し、歯周病への有効性についても評価を行っている。  患者への使用については既に都城病院の倫理委員会での承認が得られており、口腔外科領域の重篤な骨欠損や歯周病への有効性を明確にして行きたい。また、HApアガロースは、インプラントにおける骨再生に極めて有効であるシステムであると考えている。  以上、今回のシンポジウムの趣旨である歯科分野での産官学連携の一つの事例として、工学分野から歯科領域を含む大学発ベンチャーを立ち上げた経験を紹介した。この紹介が、歯科理工学会員に、歯科領域で産業活性化に向けた活動に対し一つの示唆となることを希望する。
  • 青木 秀希
    セッションID: 2S-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    1.はじめに  人工歯根の需要が年々増大している。現在の人工歯根の素材はチタン金属が主流である。チタン合金やハイドロキシアパタイト(HA)コーティングの人工歯根も普及している。チタン合金はチタン金属に比べて機械的強度に優れていること、アパタイトコーティングは骨新生が早いことが特徴である。HAコーティングは金属イオンの溶出抑制にも効果的である。骨結合力や生体親和性に優れた特性をもつHAコーティング人工歯根は、何故普及が遅いのであろうか? 2.ハイドロキシアパタイトコーティングの問題点  ハイドロキシアパタイトの多孔体が、整形外科や歯科領域で骨補填材として広く臨床応用されていることは周知の事実である。骨形成能に優れているからである。骨内に埋入されたアパタイト多孔体は、自家骨と置換される速度はきわめて遅いので体内で永久的に残存することも事実である。残存していても邪魔にならなければいいのだが、大きな骨欠損部に多量にアパタイト骨補填材を埋入すると長期間経っても中心部の補填材が動くなどの不都合が生じる。このことは人工歯根にも言える。HAコーティング層が10μ以上厚ければ、およそ10年以上は顎骨内に残存する。人工歯根が長期間機能する上でコーティング層が邪魔にならないためには、コーティング層のHAと基材のチタン金属との接着力が大きいことや、HAがコーティング層内で破壊が起こらない機械的強さを持っていることである。すなわち剥離や脱離が起きにくいからである。しかし、これらを解決することはきわめて難しい。なぜなら両者の結晶構造(原子構造)がまったく異なることや、金属結合のチタンとイオン結合のアパタイトが強く結合することは不可能であるからである。またアパタイト結晶やアパタイト焼結体(セラミックス)の機械的強さも、大きな咬合力や繰り返しの衝撃に耐えるには小さい。 3.ハイドロキシアパタイトコーティングの問題点の解決法 1)アパタイトコーティング層の機械的強さの増大:アパタイトセラミックスの圧縮強さは大きいが、引っ張りや曲げ強さはアルミナなどのセラミックスに比べて小さい。破壊靱性値は金属に比べて10分の1以下である。複合材とする以外解決法はない。 2)アパタイトと基材との結合力:上記したように、アパタイトとチタンの結晶構造や化学結合の違いから両者の結合力を大きくすることは物理的結合力に頼るしかない。すなわち、プラズマ溶射法はチタンの表面に凹凸をつけアンカリングによる機械的に結合力を大きくするしかない。中間層にペロブスカイトCaTiO3のようなものをコーティングすることも考えられるが、金属―ペロブスカイトーハイドロキシアパタイトー骨といった界面が増えることによる問題も起きてくる。新しいコーティング法が熱望される。 3)HAコーティングが残存する:コーティングの厚みを薄くすることにより吸収を早くすることが考えられる。骨置換速度を1μm/年とすると1μm以下が望ましいといえる。しかしあまり薄いと埋入初期の炎症時にほとんど吸収されてしまう。 4.ハイドロキシアパタイトコーティングの今後  スパッタリング法によるHAコーティングは、HAとチタン金属との結合力が大きく、HAコーティングの厚みは1μm前後と薄く、埋入初期の骨新生も早く、期待されるコーティング法の一つである。
  • 春日井 昇平
    セッションID: 2S-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    歯科インプラント(以下インプラント)を用いる治療は、歯が欠損した場合の治療方法として確実な治療法となっている。他の補綴治療に比べて機能的・審美的に 優れた回復が可能であるため、インプラント治療を希望する患者さんの数は増加している。しかし、インプラント埋入予定部位に充分な骨が存在しない場合、インプラント治療は困難であり、骨が充分でないためにインプラント治療を断念する患者さんは少なくない。我々は骨増加作用を示す化合物に注目し、そのような 化合物を骨に局所的に作用させることにより骨の増量が可能かについて検討を続けている。  コレステロールの合成阻害薬として高コレステロール血症や高脂血症の治療薬として臨床応用されているスタチンを骨の近傍で徐放させることにより、局所的な骨の増量が可能であることを我々は観察した。同様の手法を用いて、骨増加作用を示す他の化合物を骨の近傍で徐放させることによっても局所的な骨の増量が可能 である。骨の臨床において、抜歯した後に抜歯窩にそのような化合物を局所適用することで、インプラント埋入部位に充分な骨量を確保することが期待できる。 既に臨床で使用されている薬物を骨に局所的に作用させた場合、重篤な副作用が起きる可能性は低いので、我々の手法は臨床応用が容易であると考えている。そこで、骨の増量に関する我々の研究を臨床応用する目的で、株式会社PIRM(再生医療のパイオニアPioneer in Regenerative Medcineの 頭文字)を設立した。医療としては、治療効果が確実であり安全であることが重要である。たとえ治療効果が確実であったとしても、コストが高く、簡便でない 治療法が社会に普及することはない。そのような面からも、我々が開発中の製品は、近い将来臨床応用可能な製品に充分なり得ると考えている。本講演では、我々が開発中の製品の概略、資金を含めた将来計画について述べる予定である。
  • 辻 紘一郎, 加藤 幸夫
    セッションID: 2S-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    間葉系幹細胞(MSC)を試験管内で最大500億倍増幅した。増幅した幹細胞をbeta-TCP担体としてSCIDマウス皮下に移植すると骨を形成した。この新生骨の大部分は移植したヒトの幹細胞由来であった。また患者自身の血清(ウシ胎児血清でなく)を用いてヒトMSCの増幅に成功した。自家血清はジェイ・エム・エス社の完全閉鎖系血清分離装置を用いた。またMSCとしての品質を検定した上で歯周病患者に移植した(広島大学歯周病科)。  組織の再生のためには、細胞、足場、増殖・分化誘導因子の3要素が必要と考えられており、これらに時間と環境因子が加わることによって組織の再生が達成されるとされている。現在行なわれている歯周組織再生療法には、内在性の細胞の遊走を助け、足場を提供するguided tissue regeneration (GTR)法や増殖・分化誘導因子であるbasic-fibroblast growth factor (bFGF), bone morphogenetic protein (BMP),platelet-derived growth factor (PDGF),エムドゲインの応用などが挙げられる。しかし、これらの治療法の成否はいずれの治療法でも、組織再生の能力を有する内在性の細胞に依存しており、広範な歯周組織欠損への適応については限界があると考えられる。そのため近年では、細胞を外部から積極的に移植する治療法の開発が行われている。 骨髄由来間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, MSC)は骨、脂肪、神経、軟骨、筋などへ分化する多分化能を持っており,このMSCを用いることによって病的なあるいは欠損した組織を再構築する治療法が急速に発展している。  間葉系幹細胞(MSC)を試験管内で最大500億倍増幅した。増幅した幹細胞をbeta-TCP担体としてSCIDマウス皮下に移植すると骨を形成した。この新生骨大部分は移植したヒトの幹細胞由来であった。また患者自身の血清(ウシ胎児血清でなく)を用いてヒトMSCの増殖に成功した。自家血清はジェイ・エム・エス社の完全閉鎖系血清分離装置を用いた。またMSCとしての品質を検定した上で歯周病患者に移植した(広島大学歯周病科)。  一方、再生医療の普及には幹細胞の増幅が第一の関門であり、我々の開発した自動培養装置は関門突破を可能にしたと考える。
  • 玄 丞烋
    セッションID: 2S-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    <事業内容>  ?バイオマテリアル用ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ラクチド/カプロラクトン共重合体(LCL)などの生体吸収性高分子(ポリマー)の製造, ?歯科用組織再生吸収メンブレン(GTRメンブレン)用ポリグリコール酸/乳酸共重合体のメンブレン製造, ?アクリショット™(義歯床用レジン)の開発と製造・販売(16年1月、厚労省より製造承認許可取得、17年1月国内販売予定), ?外科用接着剤、時限分解吸収性骨折治療材および生体組織常温長期保存液などの研究・開発と事業化 <事業経緯>   1983年6月、京都大学医用高分子研究センターの研究グループの協力のもと、大阪市に?バイオマテリアルユニバースを設立し、1986年に国産初の外科用吸収性縫合糸の原材料であるポリグリコール酸の製造を開始した。また、1995年10月新社屋竣工、社名を(株)ビーエムジーに変更。1996年に、生体吸収性骨固定材の原材料であるポリ乳酸の製造、1997年に生体吸収性モノフィラメント縫合糸の原材料である乳酸/カプロラクトン共重合体の生産を開始した。2002年7月には、当社がもつ「耐摩耗性に優れた人工関節摺動部材」に関する特許のライセンス契約を米国バイオメット社と結び、技術移転をした。 <最近の公的資金による研究開発プロジェクト> ?「再生歯根膜を有する人工歯根の開発」:科学技術振興事業団、平成13年度独創的研究成果共同育成課題, ?人体に優しい義歯床」:近畿経済産業局、平成13年度即効型地域新生コンソーシアム中小企業枠研究開発, ?生体軟組織接着剤の創製」:経済産業省、平成14年度大学発事業創出実用化研究開発事業, ?「時限分解吸収性骨折治療材」:科学技術振興事業団、平成15年度独創的研究成果共同育成課題
  • 十河 基文
    セッションID: 2S-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    ■臨床における不満 5年程前,臨床を行っていて疑問に思った.IT大国といえる日本であるのに,インプラントの術前診断や実際の手術で満足のいくシステムがない.当時,唯一のインプラント診断ソフトメーカーに「こうすればもっとよくなるのでは?」と助言を投げても,修正を頂くことはなかった. ■研究,特許,商品開発,起業 そんな時,卒後11年目で教官となり,初めて科学研究費を申請した.内容はインプラントナビゲーションシステムの原型である.平成12,13年度の研究期間の後,知的財産,産学連携,独法化,大学発ベンチャーの風が吹いていた.「発表すると特許は申請できない」と薄々わかっていたため,報告書提出の延期をお願いした.この技術はビジネス性が高く即戦力があると感じていたが,具体的な方法がわからない.民間企業に声をかけたが,予算の関係上断られた.そこで,探し当てたのが,大学内にある技術移転機関「大阪TLO」であった.早速,門を叩き,特許申請をした.コーディネータと何十時間もディスカションを行った.しかし,商品化への予算がない.経産省などの予算取りにいくつも挑むものの,バイオやナノのようなハイテクでもなく,また何百億円市場でもないためか採択をされない.そんな時,阪大工学部の阪大FRCの「ビジネススタートアップ・プロジェクト」という研究助成金に排水の陣で応募し採択された.昨年秋,起業した。  ■独法化の波 国立大学の独法化という節目を迎え,「大学ができる社会貢献とは何か?」を見直す動きが顕著である.アメリカの各大学は,すでに研究内容の社会還元と,特許ライセンスや新会社設立などの経済効果という答えも見つけた.我々の関係する歯科業界は,一般市場からみるとニッチである.しかし,ユーザーである歯科医師の困っていることを考えると,ビジネスチャンスはあるようだ.今回の発表では起業に至った動機や経緯,またビジネスプランをお話できればと思う.
  • 野浪 亨
    セッションID: 2S-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    二酸化チタン光触媒は,医療分野に応用できると考えられる。たとえば,塗料を壁に塗布したり,人工植物を設置したりすることで病院内のいやな臭いや有害化学物質を除去できるし,病院で使う様々な器具や白衣などの衣類に塗布することもできるだろう。特に病院や高齢者福祉施設の居室や手術室、汚物処理室、トイレのみならず、各家庭などでの老人介護の現場でもアンモニアやトリメチルアミン、硫化水素、アセトアルデヒド、酢酸などの臭いや浮遊細菌などが問題となっている。 このほかに歯科医療分野では様々な応用展開が考えられる。たとえば歯の漂白材は米国などでは盛んに使用されているが,高濃度の過酸化水素水を用いた漂白材が主流で危険を伴うため,安全で無害な漂白材が求められている。そこで光触媒を用いれば安全に歯の漂白が行えるだろう。 また,入れ歯の洗浄材では頑固に付着した歯石やたばこのヤニなどによる汚れを安全にきれいに除去できる洗浄剤の開発が待たれておりアパタイトを被覆した二酸化チタンを用いた洗浄剤は期待される。アパタイトの吸着能は光の有無に関係なく発揮されることから入れ歯のレジン(樹脂)やマウスピース,入れ歯安定材に練りこめば臭いや汚れの付着しにくい入れ歯ができるだろう。他にガムや歯磨き粉に混合することで口臭や歯垢、口の中の汚れを除去しようとアイデアもある。 ここでは,二酸化チタン光触媒による歯の漂白例を紹介する。歯の漂白では二酸化チタンと過酸化水素を複合化することで従来の漂白法に比べて効果的で安全な漂白材を開発することに成功した。さらに可視光に反応するように漂白材を改良することで可視光を利用して安全に歯の漂白が行えるように設計している。
  • 宇尾 基弘, 赤坂 司, 亘理 文夫, 横山 敦郎, 田村 一央, 戸塚 靖則
    セッションID: A-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    チタンインプラントは特に化学的安定性に優れ、生体内の環境では腐蝕や溶出を起こさないと考えられているが、一部のインプラント周囲の組織からは蛍光X線分析やICP発光分光分析などでチタンが検出されることが報告されている。組織中へのチタンの移行とインプラント埋入の成否の関係は明らかでなく、また組織中のチタンの存在形態についても報告されていない。生体組織中のチタン及びその他の金属元素についての状態分析が困難な理由として、通常これらの金属元素が極めて低濃度であることがあげられる。 そこで本研究では歯科用チタンインプラント近傍から採取されたヒト歯肉組織中でのチタンの化学状態をXAFSにより分析し、インプラントから生体組織へのチタンの移行について検討した。
  • 橋本 典也, 楠 正暢, 川島 将実, 西川 博昭, 本津 茂樹, 中村 正明
    セッションID: A-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    市販のQCM 振動子表面にHAp 薄膜をレーザーアブレーション法により厚さ100nm 堆積したHAP コートQCM 振動子を作製した。これをセンサーとしてQCM 装置本体に取り付け、生理食塩水中で牛血清アルブミン(BSA)の検出を試みた。BSA 滴下量に対し、従来のAu電極センサーに比べてHAP 薄膜の優れた蛋白質吸着機能が確認された。
  • -ラット骨内埋入・摘出チタン試料の表面分析-
    渡辺 孝一, 橋本 明彦, 野村 修一, 遠藤 ミゲル 雅崇, 大川 成剛, 金谷 貢, 中野 周二, 小林 正義, 宮川 修
    セッションID: A-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    チタン表面の生体親和性と表面特性の関係を明らかにするため,純チタン製の試作インプラントをラット骨内に埋入・摘出し,X線光電子分光装置などを使用して,表面吸着した生体分子や微量元素を分析した.その結果,超音波洗浄後の条件で,検出された生体有機分子はおよそ25オングストロームの厚さであり,1週間埋入でもハイドロキシアパタイト類似の化合物は確認できなかった.
  • 王 蔚, 近籐 英臣, 横山 敦郎, 川崎 貴生, 宇尾 基弘, 大川 昭治, 赤坂 司, 菅原 敏, 亘理 文夫, 大森 守
    セッションID: A-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    放電プラズマ焼結法によるカーボンナノチューブ(MWCNT)の固化について結合剤PCSの最適濃度と放電プラズマ焼結法の最適条件を検討した。PCS粉末を5、10、15、20、25wt%の割合で混合し、放電プラズマ装置により、温度1200℃、圧力20、40、60、80、100、120MPaで焼結した。得された焼結試料の物性と生体親和性を調べた。
  • 山田 敏元, 宇野 滋, 杉崎 順平, 森上 誠
    セッションID: A-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    ダイレクトアプリケーションシステムに設計された試作コア用コンポジットレジンのライナーボンドシグマを併用した歯髄側象牙質接合界面の様相をFE-SEM観察した。その結果、象牙質最表層に1μm内外のハイブリッド層を形成し、緊密な接合を示した。
  • -重合反応における反応速度論的解析-
    手島 渉, 野村 雄二, 荒川 真, 柴田 暁輝, 白井 憲一, 田中 伸征, 岡崎 正之, 名原 行徳
    セッションID: A-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    第42回日本歯科理工学会学術講演会にて,各種光重合開始剤添加レジンに紫色LEDを照射した場合の重合率と重合速度について発表した。今回,これらの結果を基に反応速度論的解析を行った結果,新規光重合開始剤を添加したレジンに紫色LEDを照射すると,従来のカンファキノン添加レジンに青色LEDを照射した場合よりも2.2-12倍のラジカル生成量があり,生成されたポリマーは高い三次元架橋密度であることが判明した。
  • -DNAマイクロアレイ法による検討-
    石川 温子, 安藤 公敏, 林 達秀, 河合 達志, 森 隆司, 服部 正巳, 田中 貴信
    セッションID: A-07
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    義歯床やテンポラリークラウンに用いられているMMA系レジンについては、残留モノマーなどが生体細胞に何らかの影響を与えていることが報告されている。しかし、細胞の分子生物学的変化については明確でない。そこで本研究では、MMA系レジンをマウス軟骨芽細胞(ATDC5)に直接接触させて培養し、MMA系レジンが細胞の遺伝子発現に及ぼす影響について、DNAマイクロアレイ法で検討した。
  • 今 政幸, 小林 雅博, 河野 文昭, 浅岡 憲三
    セッションID: A-08
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    これまでの研究で、ジルコニウム含有ガラスの短繊維粉末を義歯床用アクリルレジン(PMMA)に複合し、機械的性質などの諸性質を検討した。本研究ではPMMA以外の義歯床用レジンをマトリックスに使用し、ジルコニウム含有ガラス短繊維の分散による強化効果などを調べた。それらの結果を義歯床用アクリルレジンを適用した場合と比較検討したので報告する。
  • 廖 素三, 田村 一央, 亘理 文夫
    セッションID: A-09
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    ナノハイドロキシアパタイトコラーゲン複合材料は骨細胞工学用に有望な生体材料である。しかし、機械的性質が低い、任意の形状に作のか困難であった。石灰化コラーゲンと生分解性ポリマーからなり、生体親和性と十分な機械的特性互有する3次元スカフォールドnHAC/PLAを作製した。ヒトの好中球を用いた実験では炎性はほとんど見られず。培養実験では骨に類似した3次元骨芽細胞/複合体構造が形成された。CLSMとOMから、細胞的延伸し、スカフォールドに内部の気孔に増殖していることが観察された。
  • 濱田 吉之輔, 竹谷 哲, 宮川 繁, 小上 典久, 結城 加奈子, 藤谷 渉, 松本 卓也, 松浦 成昭, 高橋 純造
    セッションID: A-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    以前の我々の研究でSVVYGLRペプチドが、in vitroにおいてペプチド単体で高い血管新生作用をもち、その効果が血管新生能の高いことで知られているVEGFと同等であることを確認した。今回の実験では、合成されたSVVYGLRの血管新生能をマウスを用いてDorsal air sac (DAS) assayにて検討した。結果はSVVYGLRが血管新生能を持つ血管新生ペプチドであるが解った。
  • 中村 真理子, 吉田 靖弘, 岡崎 まさみ, 鈴木 一臣, 石川 邦夫
    セッションID: A-11
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
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    直接覆髄剤は血液と直接接するため生体への影響が大きいと考えられるので、為害作用が少ない薬剤であることが望まれる。本研究はラット第一臼歯を露髄させ水酸化カルシウム製剤などにより直接覆髄した後、一定期間経過後心臓より採血を行い、肝臓などを摘出し、血液検査ならびに臓器の病理学的検査を行うことにより直接覆髄剤が生体に及ぼす影響の調査を行うことを目的とした。
  • 福井 壽男, 甲斐川 健太郎, 鶴田 昌三, 楊 威, 遠山 昌志, 山田 恒, 新家 光雄
    セッションID: A-12
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    咀嚼・咬合運動時におこる歯科用材料の摩擦摩耗特性についての報告してきた。前回は歯科材料の組み合わせによってフレッティング摩耗からスライディング磨耗への移行特性には固有の値が存在することを報告した。しかし、この値付近の往復距離を細かく検討したところ、この値は固有のものではなく、あいまいな関係にあることが摩擦力の曲線波形およびSEM写真から観察された。今回はこの点について報告する。
  • -薄膜の密着性-
    高橋 健一, 早川 徹, 原 広樹, 吉成 正雄, 望月 千尋, 佐藤 光史, 根本 君也
    セッションID: A-13
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    演者らは,Ca-EDTA錯体からなる分子プレカーサー溶液を塗布して600℃で2時間加熱焼成するという簡便な工程で,チタン基板上へ均一に炭酸含有アパタイト薄膜が形成できることを明らかにした.しかしながら,薄膜の密着性や疑似体液中での挙動についての詳細は未だ明らかにされていない.そこで本研究では,薄膜の密着性の評価ならびに疑似体液中での薄膜の挙動について検討した.
  • 寺岡 文雄, 原 征, 高橋 純造
    セッションID: A-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    高分子足場材料表面にハイドロキシアパタイト(HAp)を簡単に固定することを目的としている.HAp粉末をpH約2.3の非塩素系強酸性水に溶解させた.この溶液中にプラズマ処理したポリ乳酸板を浸漬して,ポリ乳酸表面へのHApの固定状態を操作プローブ顕微鏡を用いて検討した.非塩素系強酸性水は塩素を含んでいないため安全で殺菌作用がある.そのため,HApを固定した試料はそのまま生体内に埋入できる利点がある.
  • 吉成 正雄, 勢島 尚, 牛込 利彰, 河野 敬, 野口 竜美, 小田 豊, 早川 徹
    セッションID: A-15
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    抗菌性ペプチドHistatin 5は、PMMAに吸着しやすいCandida albicansの増殖阻止因子であることから、本Histatin 5をPMMA表面に固定できれば義歯に抗菌性を付与できるものと考えられる。PMMAに酸素および窒素プラズマ表面処理を施し、Histatin 5の吸着特性を評価した結果、プラズマ表面処理はHistatin 5の固定に有効であることが明らかとなった。
  • 中川 雅晴, 張 磊, 有働 公一, 松家 茂樹, 石川 邦夫
    セッションID: A-16
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    フッ素含有溶液中で高耐食性を有するTi-Pt合金、Ti-Pd合金のインプラント用合金としての生体活性、骨誘導能を検討するために、上記合金および純Tiを200℃のCaCl2溶液中で24時間の水熱処理を施したものと、従来の表面改質法として知られるアルカリ処理を施したものについて、疑似体液中でのアパタイトの析出状態を比較した。また骨芽細胞様細胞を用いて初期接着、増殖状態を比較検討した。
  • -破壊様式の定義(接着理論モデル)-
    若狭 邦男, 池田 敦治, 野村 雄二, 平田 伊佐雄, 岡崎 正之, 佐野 英彦
    セッションID: A-17
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、従来の試験方法(せん断及び引張)とmicro-tensile bond試験における破壊様式の定義を行い、それらの接着強さと破壊様式の関係を試験から求め、さらに理論的に明らかにする。試験片形状が及ぼす接着強さの大きさへの影響を求めることによって、それらの違いから破壊様式の違いが求まるので、新たに接着に対する考察が可能になった。
  • 海野 亜由子, 池田 正臣, 二階堂 徹, 田上 順次
    セッションID: A-18
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    2種の新規ワンボトルボンディング材の象牙質に対する接着性能を評価するため、微小引っ張り接着試験、破壊形態の観察、処理面及び接着界面のSEM観察を行った。その結果、ボンディング材により歯面の湿潤状態と象牙質接着性に違いが認められた。
  • 接着界面TEM像の解析
    吉田 英史, 宇野 滋, 野田坂 佳伸, 山田 敏元, 加我 正行
    セッションID: A-19
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    3種耐水研磨紙(#180、600、2000)にて研削したヒト象牙質被着面を4種all-in-one adhesive(AP Plus、i Bond、G-Bond、Xeno CF Bond_II_)にて処理後コンポジットレジンを接着させた。この接着界面をTEM観察し、これら接着システムの接着性に及ぼすスメア層の影響について検討した。
  • 宇野 滋, 吉田 英史, 山田 敏元, 加我 正行
    セッションID: A-20
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    3種耐水研磨紙(#180、600、2000)にて研削したヒト象牙質被着面を2種all-in-one adhesive(i Bond、G-Bond)にて処理後コンポジットレジンを接着させ、微小引張り接着強さを測定した。また、これらシステムの象牙質脱灰能をSEMにて評価し、これら接着システムの接着性に及ぼすスメア層の影響について検討した。
  • 松家 茂樹, 有働 公一, 中川 雅晴, 石川 邦夫
    セッションID: B-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    炭酸アパタイト硬化体の調製を目的として、半水セッコウに0-80wt%の割合でカルサイトを添加し、混水比0.4で練和して得られた硬化体を0.5および1M Na3PO4水溶液中で100℃で1日処理した。処理後の硬化体の強度測定、および生成物のX線回折、FT-IRならびにSEM観察を行った。
  • 有働 公一, 若江 皇絵, 中川 雅晴, 松家 茂樹, 石川 邦夫
    セッションID: B-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    種々の濃度の炭酸アンモニウム溶液により水熱処理を行い、alpha-TCPフォームを炭酸アパタイトフォームに転化し、高い圧縮強さをもつ炭酸アパタイトフォームの調整条件を明らかにする。
  • 熊田 美智, 関島 安隆, 中村 聡, 山下 仁大
    セッションID: B-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    分極処理したハイドロキシアパタイトと(p-HAp)の負電荷(N)が誘起されN面では、擬似体液中での骨類似結晶の成長、培養骨芽細胞様細胞の接着および生体内での新生骨形成などの促進作用が認められ、p-HApのバイオマテリアルとしての多様な機能が期待されている。ここでは、p-HAp表面における虫歯原因菌の一種であるStreptococcus mutansの消長、口内補体因子、IgA抗体との相互作用について報告する。
  • -熱的挙動の検討-
    山田 美記子, 森下 久美子, 倉田 茂昭, 楳本 貢三, 上新 和彦
    セッションID: B-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    りん酸水溶液で練和した硬石こう硬化体およびそれらを種々の温度まで加熱した試料について、熱分析測定や走査電子顕微鏡による破断面の観察を行い、熱的挙動を検討した。
  • -酸濃度と種類の影響-
    伴 清治, 河野 博史, 佐藤 秀夫, 岩谷 由香梨, 湯田 昭彦, 和泉 雄一
    セッションID: B-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    高濃度のフッ酸、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸でチタンをエッチングし、表面状態の変化を観察した。X線回折の結果、水素化チタンが生成していた。また、硫酸によるエッチングが最も特異的であった。
  • 高橋 正敏, 菊地 聖史, 高田 雄京, 奥野 攻
    セッションID: B-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    切削加工性に優れたチタン合金の開発を目的とし,チタンにNbとCuを添加した3元系合金を試作して,その研削性と機械的性質を調べた。
  • 中西 徹, 新家 光雄, 戸田 裕之, 赤堀 俊和, 武田 淳仁, 福井 壽男, 森 正樹
    セッションID: B-07
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    代表的な歯科用修復材料として用いられる金属材料に金銀パラジウム合金がある。本研究では市販のAg-Pd-Cu-Au-Zn合金鋳造材および加工材を用いて、種々の熱処理を施した引張試験片を作製し、引張応力負荷状態でアノード分極試験を行い、本合金の耐食性に及ぼすミクロ組織および引張応力の影響について調査・検討を行った。
  • 高田 雄京, 中村 圭祐, 木村 幸平, 奥野 攻
    セッションID: B-08
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    歯科用磁性アタッチメントに用いられている磁性ステンレス鋼を歯科鋳造し、根面板とキーパーを一体化させた新しいキーパーの可能性を調べるため、磁性ステンレス鋼鋳造体を熱処理し、アノード分極曲線および自然電極電位の経時変化を測定して、熱処理が耐食性に及ぼす影響を検討した。
  • 遠藤 一彦, 大野 弘機, 川島 功, 山根 由朗
    セッションID: B-09
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    Ag-20Pd-18Cu-12Au合金およびPd-25Ag-18Cu-12Au合金の表面に硫化物溶液中で形成された不動態皮膜の構造と保護性をX線光電子分光法と電気化学的手法を用いて調べた。その結果、皮膜の厚さは約1nmであり、ほぼPdSから成ることが明かとなった。また、PdS皮膜の保護性は高く、0.9%NaCl溶液中でAgCl生成反応を抑制することが分かった。
  • 岩崎 佳治, 大川 昭治, 赤坂 司, 菅原 敏, 宇尾 基弘, 亘理 文夫
    セッションID: B-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    演者らは,41,42回歯科理工学会においてチタンと歯科用貴金属合金のレーザー溶接部の強度試験,硬さ試験及びEPMA分析を行った.その際,チタンと歯科用貴金属合金のレーザー溶接強度は同種合金同士の溶接部に比較して低い値を示した.今回はその原因について,チタンと歯科用貴金属合金の主要構成元素(Au,Ag,Pt,Pd,Cu)のレーザー溶接部の元素分布を分析し検討した.(要望)仕事の関係で1日目の発表を希望します.
  • 小園 凱夫, 柿川 宏, 槙原 正人, 中島 厚, 岡本 修, 増田 敬示, 津田 邦博
    セッションID: B-11
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    CO2レーザーをディフォーカスの状態で照射する低反応レベルレーザー治療(LLLT)は、痛みの緩和、消炎、治癒の促進などに画期的な効果をもたらしている。しかし、高速度で回転しながら長時間照射するため、歯科医師には多大な肉体的負担がかかる。今回オフセット多関節制御技術を応用して開発中のLLLT用ロボットは、歯科医師のスキルと安全装置を備えており、安全かつ確実なレーザー治療が可能になるものと期待される。
  • 山口 佳奈子, 稲毛 寛彦, 宮崎 真至, 高見澤 俊樹, 安藤 進, 黒田 隆
    セッションID: B-12
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    歯質の脱灰および再石灰化の状況を判定するために,非破壊装置の一つである超音波測定装置を用いて,その超音波伝播時間の変化を指標として検討するとともに,FE-SEMを用いて形態的な観察を行う。
  • -咬合力の変動の影響-
    草野 雅章, 桐田 忠昭
    セッションID: B-13
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では様々な咬合力を有する症例においてヒト下顎骨に作用する力をコンピューター・プログラミングの手法を用いて迅速かつ正確に材料力学的に解析するシステムを開発した。剪断力、曲げモーメント、ねじりモーメントは咬合力の上昇にともない線形に増加した。これにより解析可能な対象が拡大した。この解析方法は臨床上応用性が大きい方法である。
  • -三次元有限要素法による移植歯の力学的検討-
    深瀬 康公, 本田 雅彦, 本田 和也, 掛谷 昌宏, 笹尾 道昭, 金田 光正, 松本 光彦, 西山 實
    セッションID: B-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    自家歯牙移植における移植床の形成に三次元X線マイクロCT画像を利用した光造形システムによる移植歯レプリカを作製した。 移植後の移植部位の新生骨生成に関わる力学的評価を三次元X線マイクロCT画像から三次元有限要素モデルを構築しシミュレートにより検討を行った。
  • 小林 雅博, 今 政幸, 亘理 文夫, 飯田 順一郎
    セッションID: B-15
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    ジルコニウム含有ガラス繊維とUDMAとの複合による審美性に優れた矯正用FRPワイヤーを試作して材料設計について検討した。その結果、所定の矯正力(P)を所有するFRPワイヤーはワイヤー直径(D)およびガラス繊維体積含有率(Vf)を任意に設定するとP=8.6×1011D4(0.71Vf+3.29) の計算式より材料設計できることを明らかにした。
  • -歯科インプラント手術支援:骨上ステントの臨床応用-
    荘村 泰治, 楠本 直樹, 大谷 恭史, 若林 一道, 山田 真一, 中村 隆志, 矢谷 博文, 高橋 純造, 山口 敦, 樋口 鎮央
    セッションID: B-16
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    前報までに、VR触力覚デバイスを用いた歯科インプラントの埋入シミュレーションや、 骨上ステントのCAD/CAM法による作製について報告してきた.今回は,骨上ステントと骨模型をFDM(溶融積層法)で作製し、術前に骨上ステントの骨模型への適合やインプラント体埋入窩形成位置の確認を行った後、実際の手術において骨上ステントを用いて埋入窩の形成を行ったので報告する。
  • -濃硫酸による温度と時間の影響-
    岩谷 由香梨, 湯田 昭彦, 河野 博史, 佐藤 秀夫, 和泉 雄一, 伴 清治
    セッションID: P-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    チタンを48%硫酸に室温、40℃、60℃、90℃の各条件で一定時間浸漬させ、それぞれ重量減少、表面粗さ、変化を測定し、X線回折による状態分析を行った。
  • 武本 真治, 服部 雅之, 吉成 正雄, 河田 英司, 小田 豊
    セッションID: P-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    口腔内で用いられる歯科金属材料は、唾液や各種飲料とも接触するため、様々な環境において高い耐食性を有する必要がある。本研究では、歯科金属材料としての金銀パラジウム合金、金合金、Co-Cr合金およびチタンの洗口液中での電気化学的腐食挙動を調べ、口腔環境下におかれる金属材料の耐食性を評価した。
  • 金 景月, 高橋 英和, 岩崎 直彦
    セッションID: P-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    歯科用熱圧入セラミックスが数種類市販されている。セラミックス材料の疲労が繰返し負荷の影響を受けることが知られたのは最近のことである。しかしながら、繰返し負荷の熱圧入セラミックス材料の疲労に及ぼす影響については、十分に明らかとなっていない。そこで、3種類の市販の熱圧入セラミックス(Empress 2, Finesse All-Ceramic, OPC 3G )を用い、繰返し疲労、静疲労試験を行い、繰返し負荷が疲労に及ぼす影響について検討した。
  • 小上 典久, 濱田 吉之輔, 松本 航, 中村 隆志, 高橋 純造, 矢谷 博文
    セッションID: P-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    大きな組織再生には細胞への栄養補給のために血管新生が求められることが少なくない。SVVYGLRペプチドが血管内皮細胞に対して血管新生作用を有することはすでに報告した。今回は、このペプチドが血管平滑筋細胞においても生理活性を有するかどうか検討するため、実験を行った。コントロールと比較してSVVYGLRペプチドコーティング上において細胞の接着能が高かった。
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