日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成16年度秋期第44回日本歯科理工学会学術講演会
セッションID: 2S-02
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歯科発ベンチャー株式会社ピルムの戦略
*春日井 昇平
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抄録
歯科インプラント(以下インプラント)を用いる治療は、歯が欠損した場合の治療方法として確実な治療法となっている。他の補綴治療に比べて機能的・審美的に 優れた回復が可能であるため、インプラント治療を希望する患者さんの数は増加している。しかし、インプラント埋入予定部位に充分な骨が存在しない場合、インプラント治療は困難であり、骨が充分でないためにインプラント治療を断念する患者さんは少なくない。我々は骨増加作用を示す化合物に注目し、そのような 化合物を骨に局所的に作用させることにより骨の増量が可能かについて検討を続けている。  コレステロールの合成阻害薬として高コレステロール血症や高脂血症の治療薬として臨床応用されているスタチンを骨の近傍で徐放させることにより、局所的な骨の増量が可能であることを我々は観察した。同様の手法を用いて、骨増加作用を示す他の化合物を骨の近傍で徐放させることによっても局所的な骨の増量が可能 である。骨の臨床において、抜歯した後に抜歯窩にそのような化合物を局所適用することで、インプラント埋入部位に充分な骨量を確保することが期待できる。 既に臨床で使用されている薬物を骨に局所的に作用させた場合、重篤な副作用が起きる可能性は低いので、我々の手法は臨床応用が容易であると考えている。そこで、骨の増量に関する我々の研究を臨床応用する目的で、株式会社PIRM(再生医療のパイオニアPioneer in Regenerative Medcineの 頭文字)を設立した。医療としては、治療効果が確実であり安全であることが重要である。たとえ治療効果が確実であったとしても、コストが高く、簡便でない 治療法が社会に普及することはない。そのような面からも、我々が開発中の製品は、近い将来臨床応用可能な製品に充分なり得ると考えている。本講演では、我々が開発中の製品の概略、資金を含めた将来計画について述べる予定である。
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© 2004 日本歯科理工学会
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