抄録
間葉系幹細胞(MSC)を試験管内で最大500億倍増幅した。増幅した幹細胞をbeta-TCP担体としてSCIDマウス皮下に移植すると骨を形成した。この新生骨の大部分は移植したヒトの幹細胞由来であった。また患者自身の血清(ウシ胎児血清でなく)を用いてヒトMSCの増幅に成功した。自家血清はジェイ・エム・エス社の完全閉鎖系血清分離装置を用いた。またMSCとしての品質を検定した上で歯周病患者に移植した(広島大学歯周病科)。
組織の再生のためには、細胞、足場、増殖・分化誘導因子の3要素が必要と考えられており、これらに時間と環境因子が加わることによって組織の再生が達成されるとされている。現在行なわれている歯周組織再生療法には、内在性の細胞の遊走を助け、足場を提供するguided tissue regeneration (GTR)法や増殖・分化誘導因子であるbasic-fibroblast growth factor (bFGF), bone morphogenetic protein (BMP),platelet-derived growth factor (PDGF),エムドゲインの応用などが挙げられる。しかし、これらの治療法の成否はいずれの治療法でも、組織再生の能力を有する内在性の細胞に依存しており、広範な歯周組織欠損への適応については限界があると考えられる。そのため近年では、細胞を外部から積極的に移植する治療法の開発が行われている。 骨髄由来間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, MSC)は骨、脂肪、神経、軟骨、筋などへ分化する多分化能を持っており,このMSCを用いることによって病的なあるいは欠損した組織を再構築する治療法が急速に発展している。
間葉系幹細胞(MSC)を試験管内で最大500億倍増幅した。増幅した幹細胞をbeta-TCP担体としてSCIDマウス皮下に移植すると骨を形成した。この新生骨大部分は移植したヒトの幹細胞由来であった。また患者自身の血清(ウシ胎児血清でなく)を用いてヒトMSCの増殖に成功した。自家血清はジェイ・エム・エス社の完全閉鎖系血清分離装置を用いた。またMSCとしての品質を検定した上で歯周病患者に移植した(広島大学歯周病科)。
一方、再生医療の普及には幹細胞の増幅が第一の関門であり、我々の開発した自動培養装置は関門突破を可能にしたと考える。