日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成14年度春期第39回日本歯科理工学会学術講演会
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第1日 一般講演(ポスター発表)
歯科用合金の変色
—ISO方式(個別と一括)とJIS法の比較—
吉田 隆一青木 春美岡村 弘行宮坂 平
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p. 31

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抄録
国際的な規格とJIS規格との整合性は、歯科においては歯科医療の質的向上をもたらすのみならず、歯科材料や機械の国際的規格の統一という意味において重要である。ISO/TC106 Dentistryにおいては、類似の規格の統合やハーモナイゼーションの動きが活発である。このISOの動向は、JISにも影響を及ぼしており、耐変色性試験法もその一つである。JIS法(JIS T 6106-1991 歯科鋳造用金銀パラジウム合金)は、いわば静的浸漬試験法である。これに対して、現在作成されつつあるISOの金合金の規格(ISO/CD 1562:2001 Dentistry—Casting gold alloys, AnnexB)においては、1μmの研磨ペーストで仕上げた試料に23±2℃で0.1mol/lNa2S溶液中(JISの約7.8倍の濃度)に60秒間のうち10∼15秒浸漬するようなサイクルを繰り返し、24時間ごとに溶液を新しいものと交換し、72時間試験するという動的な試験法となっている。しかし、この試験法においては、同時に大きなプールに複数の異なる金属を浸漬するため電池形成の影響が懸念される。また、JIS法との比較という点においては、試験法により合金種別にどのような評価の違いが生ずるかという事が重要であると考えられる。これらの点を明らかにするために、ISOとJISとの変色試験法による各種歯科用合金の耐変色性に及ぼす影響の違いを調べることを目的とした。
以上の結果より、ISO方式においては、溶液を個別とするか、一括とするかにより一部の合金で耐変色性の評価に差を生じる可能性はあるが、おおむね同等と考えられる。またJIS法との比較においては、市販の金合金でも銀合金と同程度の大きな変色となり、合金の耐変色性の優劣を示すには、過酷過ぎる条件であると考えられる。
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© 2002 日本歯科理工学会
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