抄録
近年歯牙欠損における補綴処置としてインプラントが用いられることがしばしばある. その快適さから今後さらに多くの症例でインプラントが用いられることが予想される. このため周囲骨組織, インプラント体に応力集中が起こりにくく, 長期にわたり使用することができるフィクスチャー形状を知ることが重要だと考えられる. 当教室では新しいフィクスチャー形状としてADSインプラントを開発した. このインプラントのフィクスチャーには多数のディンプルが付与されており, フィクスチャー形状により周囲骨組織への力の伝わりかたに違いがあると考えられている. 本研究では, 二次元有限要素法を用いてADSインプラントとスクリュータイプインプラントを界面が骨結合, 骨接合の2条件で斜め上方からの荷重に対し応力解析の検討を試みた.
ADSインプラントはスクリュータイプインプラントに比べσMの最大値が骨結合では74.83%, 骨接合では77.73%になっていた。またこれを主応力(σ2)で見ると, 骨結合では89.09%, 骨接合では116.69%になっていた. このことからADSインプラントにはスクリュータイプインプラントに比べ小さな等価応力, 主応力, 剪断応力(τ)しか生じていないことが示唆された.