高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
脳損傷者に実施した遂行機能障害症候群の行動評価 (BADS 日本版) 成績による遂行機能障害の因子分析的検討
用稲 丈人狩長 弘親山本 陽子八木 真美種村 純
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2009 年 29 巻 2 号 p. 247-255

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抄録

脳損傷者65 名の遂行機能障害症候群の行動評価日本版 (BADS) 成績について因子分析を行い,Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised,Wechsler Memory Scale-Revised,Trail MakingTest,Paced Auditory Serial Addition Test 成績との関係を検討した。BADS 下位検査成績の因子分析から,(1)行動計画能力,(2)推定能力,の2 因子が抽出された。2 因子の因子得点を軸とする対象者の因子負荷プロットは,BADS 全般的区分と一致した。BADS 全般的区分と社会的行動障害の臨床評価との比較では,両者に乖離を認め BADS 下位検査だけでは評価できない問題が示された。2 因子の下位尺度得点と知能,記憶,注意検査成績との関係では,行動計画能力が知能,記憶,注意検査など認知機能全般と関連を示し,推定能力はワーキングメモリや認知的な判断能力との関連が示唆された。BADS は社会的行動障害の評価には適していないが,遂行機能障害の行動計画能力と推定能力の評価に有用であると結論づけられる。

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© 2009 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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