本稿は,東日本大震災の津波災害被災地である宮城県の南三陸町と気仙沼市で展開されている被災地復興支援活動を研究対象にした参与観察の結果から,それらの実態と課題を明らかにする.また,宮城県内の津波被災地と九州地方の火山災害の被災地等の間で特産品「灰干し」を媒介にして形成されつつある地域連携ネットワークの可能性を展望する.
そこで,まず,1.東日本大震災発生から今日に至るまでの南三陸町「福興市」の展開をたどり,2.福興市での「灰干し」宣伝販売による参与観察の結果から福興市の課題を考察する.次に,3.参与観察に基づいて気仙沼市八日市商店街の「灰干しプロジェクト」の現状と課題を明らかにする.そして,4.現地調査に基づいて,霧島連山新燃岳と御嶽山の火山災害及び鹿児島県で新たな展開を見せている「灰干しがつなぐ被災地連携ネットワーク」の今後の可能性を展望する.