抄録
持続可能な社会を構築していくためには、環境問題の解決がもっとも重要なテーマの一つとなっている。従って、地理学に限らず、あらゆる学問分野において、環境問題の解決に向けた有効性を示すことが強く求められており、その提示に失敗した学問は自らの持続可能性を失う危険性を抱えている。しかしながら、地理学、特に人文地理学分野が環境問題の解決に向けたアプローチの採用に成功しているとは必ずしも言えず、環境問題研究の蓄積は他の隣接社会科学分野と比べて、むしろ劣っているのが実際と言えよう。本報告では発表者自らの経験を下に、環境問題に対する研究者の関わり方、環境問題を研究対象とする場合の立場のとり方等について報告し、その上で地理学、地理学者が環境問題を対象とする際の扱い方、その優位性について検討する。